腱引き地蔵。

 ※始めにこちらをどうぞ。
 てェへんだ、てェへんだ。

 むかしむかしあるところに、八五郎という人は良いけど少々間抜けな大工が住んでいました。
 仕事終わりに一杯ひっかけて長屋に帰る途中、八五郎は道ばたに地蔵が立っていることに気づきました。
「おや、こんなところに地蔵なんてなかったはずだが」
 まじまじと地蔵を眺めていると、首が曲がっていることに気づきました。
「お地蔵さん、それじゃちッとばッかし苦しいでしょう。そうだ、ここは一つあッしが首の腱引きをしてあげやしょう」
 そう言って、八五郎は首の曲がった地蔵の後ろへと回り込みます。そして懐から本を一冊取り出しました。
「確かご隠居から借りてた本にやり方が載ってたはず」

壮快201509首の腱引き

 本を見ながら八五郎は地蔵の首を真っ直ぐに治しました。
「よしよし。これで楽になったでしょう?」
 八五郎は満足げな顔をして長屋に帰りました。
「今日はずいぶんとご機嫌だね。いいことでもあったのかい?」
 長屋に帰り着くなり、器量良しのおかみさんが八五郎に問いかけます。
 八五郎は上機嫌で先ほどの地蔵のことを話しました。
「お前さん馬鹿だねぇ。あそこにお地蔵さんなんてないじゃないかい。おおかた酔っぱらって水樽と勘違いしたんだよ」
「そうだよなァ。あんなところにお地蔵さんなんてねェよなァ」
 酔っぱらっていた八五郎は、おかみさんの言葉に納得してしまいます。めっきり酒が弱くなっちまたなァ――と呟きながら八五郎は床につきました。
 その夜のこと。夜中だと言うのに、ふしぎな歌が聞こえてきました。

♪八五郎の家はどこだ。
♪首の腱引きのお礼を、届けに来たぞ。
♪八五郎の家はどこだ。
♪首の腱引きのお礼を、届けに来たぞ。

 歌声はどんどん近づいてきます。そしてとうとう八五郎の家の前まで来ると――「ドスン!」と、何かを置く音がしてそのまま消えてしまいました。
 音に驚き、八五郎とおかみさんは目を覚まします。そして八五郎がそっと戸を開けてみると首が真っ直ぐになったお地蔵さまの後ろ姿が見えました。
 そして家の前には、千両箱が置いてありました。

八五郎 : ……という夢をみたんですけどね。

ご隠居 : なんだい。朝っぱらから駆け込んできたかと思ったら、そんなくだらない話をしにきたのかい。笠地蔵じゃあるまいし。

八五郎 : いや、その話には続きがあるんでさァ。

ご隠居 : おや。地蔵の夢を見て、私から借りた金を返す気にでもなったのかい?

八五郎 : 金は返す気はねェんで……あ、いや返す気はあるんですよッ。でも先立つものが……。

ご隠居 : じゃあ、話の続きってのはなんだい? 先に言っておくけど金なら貸せないよ。

八五郎 : 金の話じゃねェんです。どうも寝違えちゃッたみたいで……また首の腱引きをやッて欲しいんでさァ。

お後がよろしいようで。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━‥……・・・ ・ 
 
         腰痛肩こり関節痛には
        整体でもマッサージでもなく
          筋整流法 東広島道場

 ・ ・ ・・‥……━━━━━━━━━━━━━━━━

←ランキング参加しました。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

検索フォーム
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
プロフィール

KenbikiNeko

Author:KenbikiNeko
腰痛・肩こり・頭痛・関節痛なんでもござれ。
東広島の腱引き屋です。
猫が好き。自転車いじりが趣味。

ランキング参加しました。
カテゴリ
QRコード
QR
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる